お知らせ

2018-01-04 12:00:00
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年頭の辞

 

古宮神社宮司 茂木貞純

 

 

 

 明けましておめでとうございます。平成30年の新春を心からお祝い申しあげます。 

 

 先ずもって、皇室の弥栄をお祈り申しあげ、皆様のご繁栄ご発展をお祈りいたします。本年の元旦は、厳しい寒さでありましたが、快晴で静かな日となりました。新玉の歳始の如く、本年が平穏な一年になることを願っております。 

 

本年は、明治維新150年の記念すべき年で、当時を顧みる機会が多くなると思います。欧米列強諸国の軍艦が日本近海に出没して開国を迫り、社会は混乱して危機的状況を迎える中で、尊王攘夷という国論が沸騰します。統治機能を失った徳川幕府は、大政奉還をすることとなり、天皇が政治の中枢に返り咲きます。明治天皇が16歳で即位され、明治新政府の中心として、近代国家の建設に邁進されることになりました。 

 

新政府は、攘夷から開国和親政策に方針を大転換して、神武天皇の創業の精神に立ち返り、近代国家建設を推進します。社会の諸制度を改革し、教育、産業、軍隊、法制度など、欧米列強諸国と肩を並べる国家とすべく、強力に政策を推進します。急激な改革、すなわち欧化政策は、社会の混乱を招くことになります。しかし、手をこまねいていては、植民地にされかけない厳しい状況でした。よくぞこの危機を乗り切ったものと、先人に改めて敬意と感謝を致したいと思います。 

 

明治、大正、昭和と続き、今上陛下は、近代国家となって以来はじめて譲位されることになりました。明年、平成31年5月1日には、皇太子殿下が新帝として即位されることになります。今上陛下の譲位の御表明は、いろいろな意味で、私たちに問いかけるものがありました。戦後社会の歩み、皇室の事、普段は思いもかけない事柄について、深く思いを致す機会となりました。 

 

一昨年8月のお言葉の中に、ご即位以来「全身全霊をもって象徴としての務め」を果たされてこられたことが表明されています。戦後の分断され、分裂含みの社会が、こうして癒され平常に復してきたのでしょう。このことは明治維新以来、150年の歩みのなかで、考えてみると更に大きな意味があると思います。 

 

日本を取り巻く状況は、明治維新や先の大戦以来の大きな転換の時期を迎えています。叡智を結集して、この危機に対処しなければなりません。歴史に学び、過つことなく将来を切り開いて行かなければなりません。平穏な年となることを切に祈りたいと思います。