お知らせ

2019-11-26 18:00:00
宮司の月便り(11月)

 

 秋もだいぶ深まってきました。神社の境内は、毎日落葉で埋もれてしまいます。みかんが熟して、きれいな色に染まってきました。農家の庭先には、ゆずや橙の黄金色の実が、濃い緑の葉の中に、輝いてみえます。田んぼはすっかり刈り取られて、切株ばかりの広々とした光景が広がっています。

 

 先日14日から15日にかけて、天皇陛下の即位大嘗祭が、つつがなく行われました。まことにおめでとうございます。悠紀地方に栃木県、主基地方に京都府が選ばれ、それぞれ斎田が決められて、そこで収穫された新穀で、御飯や御酒を醸して、海山の幸と共に、天照大御神と天神地祇にお供えして、大嘗祭が行われたのです。天皇陛下は、御祭服を召し、直接にお供えをして、国家と国民の平安を祈り、五穀豊穣に感謝されました。天皇陛下の祈りの中に、新しい令和の御代がはじまりました。近年、自然災害が頻発しています。どうか平穏な日常が送れますよう、祈りたいと思います。 

 

 一世一代の大嘗祭は、天皇の即位ごとに行われてきました。毎年行われて来た新嘗祭を1300年前に即位儀礼として、整備されたものです。皇居東御苑に建設された大嘗宮にて、天皇が自ら祭りを行われ、国安かれ民安かれと祈られたのです。こうした形が、千年以上も続いていることに、不思議な気がいたします。徹底して神祭りに専念される天皇の御姿がここにはあります。初代神武天皇より126代の今上陛下まで、万世一系変わることなく。天皇を中心に発展してきた日本の姿が浮かんできます。こうした国柄が変わることなく続いたのは、私心なく祈られる天皇をおいて考えられません。その源流は有史以前の神話時代にまで遡ります。尊い事限りなしであります。