お知らせ
11月23日に新嘗祭が滞りなく行われた。当日、早朝から大振りの雨で、社殿の装飾を済ませて、午前11時から来賓を迎えて、祭典を行った。11時頃になると雨も上がり、薄日が差すようになる。神前に田んぼ学校で収穫された初穂とともに、御饌神酒、海川山野の味物を供えて、豊作に感謝し、地域と世の中の平安を祈念した。
来賓は、自治会長、農業委員、市会議員、農事組合委員、地域の各役職者などで、これに総代、祭事係が参列した。直会の席では、こもごもそれぞれの立場でご挨拶をいただいた。そうした中で「今まで50年稲作に携わってきたが、本年8月の長雨と収穫期10月の長雨は経験のない事であった。にもかかわらず平年並みか、やや豊作という作柄であった。本当に有難いことであった。」という農業関係者のご挨拶が印象に残った。8月には九州北部豪雨が発生して大災害となった。東北地方では記録的な長雨で気温が上がらず、冷害の被害が発生したという。これに加えて10月の長雨であったので、とても豊作は期待できなかった。しかし、平年並みか、やや豊作であったという結果で安堵したのである。
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11月中旬、今年は例年より早く木枯らしが吹き、境内は落葉で埋もれてしまう。風の吹き溜まりには、10センチ以上の落葉の絨毯となっている。境内の大半の樹木は、ケヤキ,ムクノキなどの落葉樹であるので、落葉の分量は大変多い。昭和34年の伊勢湾台風以前は、樹齢数百年の杉の大木が林立した森であったが、大半が台風通過の強風で倒れてしまい、様子は一変してしまった。以来、50年以上が経過して、落葉樹と樫類の常緑樹の混在した鎮守の森となっている。
新嘗祭には、毎年社殿前のイチョウが黄葉して、美しい景観をなす。神前に捧げられた自然の幣帛の様である。もう一週間もすれば、すべて葉を落としてしまう。境内の落葉は、12月中旬にはみな落ち、冬の陽射しが森の中まで届き、明るい境内となる。来年の新緑の季節までは、この状態が続くのである。まさに冬ごもりの季節を迎えるのである。