お知らせ
新嘗祭の御奉仕が滞りなくなく済み、秋も一段と深まった感がある。当日は早朝から北風が吹き荒れ、黄色く色付いたイチョウの葉をばらばらと吹き落として、掃き掃除をしてもすぐに落葉の絨毯になってしまう。新嘗祭の前に玉垣の修繕がほぼ竣工したので、清祓いの儀を執り行った。昭和3年に完成して以来の補修工事で、社頭がきれいに蘇った。コロナ禍の中、氏子の皆さんの御奉賛により、予定通り御大典記念事業ができたことに、改めて感謝申し上げたい。
午前11時より、今年は農業関係の役職者のみの参列を戴き、氏子総代、祭事係の参列のもと、新嘗祭となった。天候不順な1年で、10月は長雨となり心配されたが、平年並みの作柄ということで、豊作に感謝申し上げた。改めて神の恵みの有難さを感じた次第である。祭典奉仕の頃には、風も少し静かになり、野外に参列の祭事係の方々も、寒さを感じることなく過ごせたのではないかと思う。
新嘗祭祝詞に加え、辞別きて玉垣補修工事が滞りなく竣工したことを奉告させていただいた。8月の例大祭終了後に工事を開始し、11月初旬に完成した。事故もなく予定通りの竣工となった。職方の皆さんに心から御礼を申し上げたい。
祭典終了後には、いつもなら直会で和やかな時間を過ごすが、今年は省略して、社頭で役職者の御挨拶のみで、お開きとした。
新嘗祭後の御挨拶で、本日の夕刻から明日の朝にかけて、天皇陛下が新嘗祭を御奉仕になられることを、お話させていただいた。各神社で行われる新嘗祭の原点の祭事で、神代以来歴代天皇が行われてきたものである。詳しい説明はできなかったが、主食であるお米の豊作を祈り感謝され、国安かれ、民安かれと祈られる御姿が伝えられたらと思う。新聞にも宮中の新嘗祭の記事が掲載されていた。今まではこんなことがあまりなかったのだが、宮中の祭事について、少しずつ理解が深まっていくことを願うばかりである。
末尾になるが、新型コロナウイルス感染症の1日も早い終息と、氏子崇敬者の平安と健康を祈り、擱筆する。