お知らせ
今、境内は新緑にあふれ、一年で最もよい季節である。初夏の爽やかな風がふいている。元総代長の新井登久次さんからご奉納いただいた、ジャーマンアイリスが満開となり、境内の高木の下で木漏れ日を浴びて、紫色の高貴な美しさを見せている。若葉が茂ると、古い葉が落ちて、秋の落ち葉以上に庭に降り積もる。地面を見ると、雑草が一面に生えていて、少し放置すると大変なことになるので、この時期草引きが大事な作業となる。たけのこはすっかり伸びて、背丈以上に成長している。境内は生気に満ちて、様々な命が躍動している。
5月5日疫神祭が行われた。疫神祭は稲の種下ろし、田植えが始まる前に、地区内を清め、疫神を追い払い、集落の境には「ふせぎ」の御札を立て、疫神の侵入を防ぐために行われてきた。秋の豊作を祈る行事で、お祓いの役目は、地区内の子供が担当してきた。生命力あふれる子供たちの力が、疫神に対抗できると考えられた。子供たちは役割を与えられ、うれしく誇らしく感じ、自信にもなった。
しかし、コロナ禍で、今年も大人たちだけで行事を行い、子供たちは参拝だけということにした。まことに残念なことであった。午前8時に総代・祭事係の方々が集合、境内清掃ののち、疫神祭を行い、獅子舞保存会の面々が獅子頭を付け、お囃子と太鼓で、集落を祓い清めた。神社のある西境から出発し、集落の南側を歩いて東境の梅岩院まで行き、境内で獅子舞を奉納。梅岩院から今度は集落の北側を歩いて神社に戻った。そして神社境内でも獅子舞を奉納して、すべての行事を済ませた。
今年もカメラマンの方2名が、取材に訪れてくれた。一人の方は先日、古宮神社の獅子舞の写真で、県知事賞を受けられた。地区内の行事が、こうして皆さんに知られて行くのは、大変うれしいことである。因みに写真は、昨年の疫神祭での獅子舞でした。
ロシアのウクライナ侵攻のニュースは、世界中に暗い影を落としていて、一日も早い収束を祈りたい。安全保障の問題はわがことでもあるので、有事に備えて万全の態勢を整えなければならない。憲法改正も含めて、まともな常識の議論が待たれるところである。
国内では知床観光船の沈没事故があり、自然を甘く見て法令違反を繰り返していた実態などが見えてきて、なんともやりきれない気持ちにさせられる。この種の人為の事故や事件が増えている。倫理観を育てる根底に異変が起きていて、戸惑うばかりである。足元をしっかりと見直す必要があるだろう。