お知らせ

2022-04-27 12:00:00
宮司の月便り(4月)

 4月18日、古宮神社春祭りが行われた。桜が散り葉桜の季節となり、椋や欅の落葉樹の若葉が芽吹き、春の息吹があふれる中での開催となった。午前9時に新旧の総代の参列のもと、祭典を行い大御代の繁栄、豊作と氏子崇敬者の平安を祈った。その後、新総代長の選出、新年度に入り直ぐに迎える疫神祭の打ち合わせ等を協議した。

 

 例年であれば春祭り終了の後、バスで奥秩父の三峰神社に登拝することを慣例としてきた。先代宮司の時に始めたもので、すでに50年継続してきた行事である。春祭りを以て、新旧役員が交代する習わしで、地元の三峰講の講員と共に、総代・祭事係一同が祈願拝礼して、神社の興雲閣にて直会を行い、楽しいひと時を過ごしてきた。三峰山は丁度桜が満開の時期で、山の霊気を全身に浴びて、帰路に就くことになる。ただ、今年もコロナ禍の為、この行事は中止として、祭典のみの奉仕となったのである。

 

 3月下旬に始まったウクライナとロシアの戦争は、世界に暗い影を投げかけている。苛酷な国際状況は、東アジアも同様で、平和に慣れた私たち日本人は冷水をかけられた。連日伝えられる戦況、破壊される街並み、理不尽に殺傷される市民の姿を見て、言い知れぬ悲しみや怒り、やり切れなさを感じない人はいないだろう。一刻も早く停戦が実現して、平穏な日常を取り戻すことを祈らずにいられない。力の均衡こそが、わずかに平和を成り立たせている現実がある。現実を直視して、平時の備えを怠ってはならないということである。

 

 天皇陛下の種籾を播くニュースが伝えられ、農作業が本格化してきた。田作りこそは、生活を支える原点で、これを自覚して農作業の尊さに気付くことが大切なことだ。苛酷な自然条件の中にも拘わらず、自然の恵みを得て、豊作の秋を迎えられた喜びに思いを馳せて欲しい。先祖の歩みに心を通わせて欲しい。春の息吹は、自然の恵み、地力の豊かさの象徴である。十風五雨、歳の災いが起こらず豊作の秋を迎えられることを切に望みたい。


1