お知らせ

2017-04-23 18:00:00
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「春祭」

 

  卒業式・入学式と学校行事が続き、遅れていた桜が四月初旬にようやく満開になった。今年は例年になく寒の戻りが続き、花の咲くのが遅れた。満開の桜は、春爛漫という表現がもっともふさわしい。もう肌寒さも感じられなくなり、一雨ごとに若芽が大きくなり色を変えてゆく。三月下旬に馬酔木の花が満開となり、メジロが群れを成して飛来して、賑やかに花を啄ばんでいた。その花もすでに色あせてきた。四月半、神社の孟宗竹林に筍が頭を出してきた。

 

 四月十五日を中心に当地方では、春の日待祭が行われる。「おひまち」とも言い、昔は各家で、御餅を搗いたり、赤飯をふかしたりしてお祝いしたが、今は稀になってしまっている。神社総代や祭事係、自治会長などが、神社で日待祭を行い、これから始まる農作業が順調に進むことや豊作、氏子の平安を祈る。兼務をしている各神社で、この日待祭が行われるので、手分けして御奉仕することになる。

 

 古宮神社では、四月十八日が春祭で、早朝に氏子総代、祭事係等が集合して祭典を行い豊作・氏子皆様の安泰と国の隆生を祈った。この春祭を境に一年間奉仕してくださった祭事係は交代になる。そこで祭事係の慰労を兼ねて、三十年以上前から、祭典修了後に三峰山へ登拝している。当地には三峯講があり、毎年この時期に代参者が代表して登拝して、御札を受けてきていたが、専業農家が減り三峯講の存続が難しくなっていた。そこで、先代宮司の発案で、神社関係者と三峯講の方々と一緒に毎年登拝することになり、今は恒例行事となって続いている。

 

 朝八時、バスにて秩父路を三峰山へと一路向かった。里では花は散り、萌黄色に染まる山並みの中を進む。前日の春の嵐が東に抜けた後なので、清々しく瑞々しい若芽が様々な色を競い萌えている。二瀬ダムの付近で桜が満開であったが、三峯山上はまだ咲いていない。十一時頃に神社に到着、神気あふれる御本殿で祈願祭を行い、改めて氏子皆様の平安と豊作とをお祈りした。その後、二千米を越える白石山、雲取山の山並みを眺めながら、和やかな直会を行うことができた。毎年の事であるが三峯神社職員の皆様の心尽くしに感謝申し上げたい。午後五時無事に下山して春祭の楽しい一日を締めくくることができた。