お知らせ
10月1日好天に恵まれて、田んぼ学校(主催日本文化興隆財団)の稲刈りが行われた。参加者は都会地の親子約80人と國學院大學の学生留学生約30人で、この人たちを総代や獅子舞保存会の方々と学生ボランティアの約30人でお世話する。小さな古宮神社の杜に多くの人が集い、楽しいひと時を過ごすことができた。
午前10時に参加者がバスで到着すると、先ず開校式を行い、早速田んぼに移動して、稲刈りを行った。鎌でひと株ずつ手刈りして、並べてゆく。稲穂の重さ、わらの匂いなど、強烈な印象である。お昼には境内に戻り、そこかしこにシ-トを敷いて、お弁当を食べた。その後、餅つきをして、搗きたての餅を頬張った。
午後は、脱穀、籾摺り、精米の課程を一通り体験する。御飯として食べるまでいろいろな手間がかかることを、体験してもらう。その後、私が「新嘗祭について」簡単に解説して、豊作感謝の祭りを全員で奉仕した。この時、絵馬を奉納することが恒例となっているので、刈り取った初穂と共に神前に供えた。午後4時、閉校式を行い事故もなく滞りなく行事が行えたことに感謝して、バスを見送った。
庭先に柿が色付いている。8月は雨が多く秋の深まりを感じるまもなく、すでに秋になってしまった。10月4日が中秋の名月、十五夜であった。清らかに澄んだ満月を拝むことができた。縁側にススキを立て、里芋や柿を供え、小麦饅頭を供えていた。子供の頃、縁側に供えられたお供え物は、子供たちはどの家の物でも食べてもよいということで、ワクワクした気分になったことを、よく覚えている。
当地方では、10月15日を中心に日待祭が行われる。俗に「おひまち」と言い、農家では餅を搗いてお祝いをしたものである。稲刈りの時期に当たるので、初穂の収穫感謝の祭りである。まだ、取り入れはすべて済んだわけではなく、黄金色した田んぼが多く残っている。これからしばらく農繁期が続くことになる。日待祭は、兼務している多くの神社で行われ、初穂収穫の喜びにあふれた祭りとなり、直会では今年の稲の出来栄えが自ずから話題となる。当地方の今年の収穫は、平年並みか、やや良いということだが、ここにきて秋の長雨となって、これがどのように影響するか、心配なところである。