お知らせ
例年にない猛暑が続いている。また、台風の襲来も数が多く、進路も不規則で予測がつかない。早い梅雨明け以降、西日本の豪雨に続き、各地に災害が発生していて、不安なことである。今月は月遅れの盆を行うところが多く、今年も帰省の混雑ぶりと、リタ-ンの様子がテレビに溢れていた。
我が家は、神道形式で先祖祭を行っているが、盆行事も不可欠の年中行事として行っている。その様子を紹介してみたい。先祖を祀る御霊舎の前に新しい藺草の茣蓙を敷き、ここに棚を造り、斎竹で囲い、注連縄を張る。棚は二段になっていて、上に先祖の御霊、下に他精霊(ほかしょうろう)を祀る。それぞれ真菰の茣蓙を敷き、御幣を設けて、その前にお供物を供える。父が生きていたころは、田植えの後に行われる水路の掃除の時に、真菰を刈って庭で乾して、これで編んで作っていた。其の真菰で8月7日の七夕には、真菰馬を作り、七夕飾りの笹と共に庭に飾った。牽牛織女の乗り物とも、盆に先祖が帰ってくる乗り物とも言っていた。
準備ができると、13日の夕刻午後4時頃、家族そろって家の前の垣内(かいと)の入り口に近い場所まで先祖の御霊を迎えに行く。榊と花を供え、お米を撒き、水をあげ拝礼をして、提灯に火を入れて、盆棚に先祖をお迎えする。私が小さい頃は、この前に風呂に入り、新しい下着に着替えて迎えに出ていた。
盆の期間中は、朝、昼、晩とお供えを欠かさない。朝はおはぎ、昼はうどん、晩は御飯と献立が決まっている。この間親戚の人が、お参りにくる。また、我が家からも親戚の盆棚をお参りする。夜は久しぶりに親族揃って、先祖と共に酒宴となることが多い。そして、16日の午後3時頃に迎えた場所に送って行く。真菰の御座の上にお供え物を載せ、茄子の馬、キュウリの馬を作り、提灯に火を灯して送って行く。普段とは全く違った時間が流れて、ゆっくりとできる。
盆が過ぎたら途端に秋風がたった。涼しい朝晩がやってきた。猛暑の夏もようやく峠を越えたようである。しかし、まだ残暑の厳しい日々が続くことだろう。今月の末は、古宮神社の例祭である。稲の稔りにとって、最も大事な時である。風雨が順調であることを切に祈りたい。