お知らせ

2020-06-28 13:00:00
宮司の月便り(6月)

 

 6月21日、氏子の方々の御奉仕により、社頭に茅の輪が完成した。まもなく大祓なので、有難く思っている。当地区では、田植えがほとんど済み、田んぼには早苗が風に揺れている。1週前位に植えられた苗は、しっかりと根を張り、成長力の強さを感じさせられる。例年だと田植えが済むと、「さなぶり」と呼ぶ祝宴が、各家庭や共同作業をした家どうしで行われる。今年は、新型コロナウイルスの影響で、あまりにぎやかな行事は自粛のようだ。

 

 60年前の田植え風景を思い出すと、地区の田んぼに一斉に水が引かれ、代掻きが始まる。耕運機での代掻きであった。田植えは、一家総出で、近所の家との共同作業だった。時には助っ人があり、親戚の人やすでに田植えが終わった家の人も加わり、大勢で田植えをして行く。朝食やお昼は田んぼの傍らで、弁当を食べて済ませた。代掻き、苗取り、田植えと段取り良く、各田んぼに早苗が植えられて行く。すべての田んぼに早苗が植えられると、喜びは一入であった。子供心にも、大人たちの無事に田植えが済んだ安堵と喜びを感じられた。

 

 泥で汚れた手足を洗い、田植えに使った農具を清めてから、「さなぶり」の祝いとなった。祖父母、両親、共同作業をした家の家族、助っ人の方々、もちろん子供たちも加わっての祝宴で、楽しかった。この後が束の間の休息の時で、成長する早苗と共に雑草が生えてくるので、すぐに草取りが忙しくなる。この間に大祓が行われる。

 

 まもなく大祓である、新型コロナウイルスの蔓延がまだ収まらないので、しっかりとお祓いしていただき、健康にお過ごしくださるよう、お祈りしたいと思います。氏子崇敬者の皆様のご健勝を祈念申し上げます。そして、秋の豊作を重ねて祈りたい。