お知らせ

2021-05-12 20:00:00
宮司の月便り(5月)

 5月5日、恒例の疫神祭を滞りなく奉仕した。若葉の生い茂る鎮守の森、風薫る好季節で、一年で一番活力にあふれる。境内に立つだけで気持ちのいい時季である。埼玉の県北地域では、種子おろしが行われ、農作業が本格化する。その直前に疫神祭を行い、地区内のお祓いを行い、集落の境にフセギ札を忌竹に挟んで立て、邪神の侵入を防ぎ、豊作を祈るのである。

 

神社に伝わる獅子舞(獅子頭3頭及びメンカ)が、氏子区域を清めて廻る。奉仕するのは地区内の子供たちであるが、昨年、今年とコロナ禍であるので、子供たちの奉仕は自粛して、行列のお供をしてもらうだけにした。

 

コロナ禍にあって、疫神祭の意義を改めて考えさせられた。切実な祓えと祈りとで、先祖たちが歩んできたことに思いを致した。昔は氏子各戸の家に入り、土足で座敷まで上がり、家中を清めたのだ。獅子舞が家に入ることで浄化され、疫神の災いを防ぐことが出来ると考えられた。今は大分省略され、獅子舞の太鼓と笛の音で、集落全体を巡り、丁度集落の東西に位置する寺と神社の庭で、獅子舞を舞うことにしている。今年も滞りなく疫神祭の奉仕ができたこと、嬉しく思うと共に、コロナの一日も早い終息を重ねて祈りたい。

 

 

今、当地区では農地改善のため土地改良事業を進めている。旧来の小規模の水田から、大規模農地への転換工事を行っている。道路や水路も付け替えられ、大型の農機で耕作可能な水田に姿を変えようとしている。完成すれば、将来は数軒の専業農家で、充分耕作が可能になるだろう。そうしないと耕作放棄地ばかり増えて、明るい未来が描けないのだ。

 

農業後継者の減少問題は、当地区でも切実である。現役で農業を支えているのは高齢者で、若手の後継者は数えるばかりである。魅力のある農村地帯を維持するのには、どうしたらよいのか。日本全体の問題でもあるが、若い人が農業に魅力を持つ環境を整えなければならない。土地改良が地域の発展に寄与するように願って止まない。