お知らせ

2021-12-14 13:00:00
宮司の月便り(12月)

 新嘗祭以降、時間が早く過ぎて行くような錯覚がある。行事や所要が立て込んで、例年の歳末の慌ただしさよりも、更に大きなものを感じさせる。このところコロナ禍が比較的落ち着いていて、この間に日常を取り戻したい焦りが背景にあるのかもしれない。

 昨日12月12日(日)は古宮神社大掃除であった。午前9時総代、祭事掛、獅子舞保存会会員凡そ30名が集合し、境内の掃除を実施した。ケヤキやムクという落葉樹は、ほぼすべて落葉し、イチョウは最後の一本が落葉中で、掃除の最中にパラパラと葉を落としている。屋根に積もった落葉は、あらかじめブロワーを使って吹き落としして、掃きためて杜の中に運ぶ。本殿、境内社の社殿、集会所は、水拭きして清める。およそ2時間の作業で綺麗に清めることができた。終了後、皆さんに銀杏の実をお配りした。境内のイチョウの実である。ささやかな神の恵みである。

 

そして祭事掛には、新しい神宮大麻・古宮神社の御札が託され、年末までに氏子各戸に配られる。新年を迎える準備である。氏子各戸では、新しい御札が届くと、神棚や稲荷社を清め、注連縄を掛け替え、御幣を新しくする。御幣は神社に運んで、新しく切り替える。この時、注連飾りや竃シメを求めて、家の中の神を祭る場所に飾るのである。神棚、床の間、竃神、水神、便所神、納屋などである。12月30日までにはこの作業を終えるのが習わしである。一夜飾りは良くないからだという。

 

午後は、氏子有志の御奉仕で注連縄を綯った。藁は専用の水田で育て青刈りし乾しておいたものである。日本書紀には「端出の縄」(左綯い)と記録されたものである。「しりくめなわ」と訓ませているが、左綯いの縄に、垂れがついている状態を書紀の記録は、思い起こさせる。改めて注連縄の伝統の古さに気付くのである。4人で3時間かけての作業で完成した。