お知らせ
古宮神社では、毎年元旦に氏子崇敬者の一年の平穏無事と、地域社会の安泰をご神前にご祈祷するとともに、皇室の弥栄・日本国の隆昌と世界の共存共栄とを祈っています。
またご希望の方に新年特別祈願祭を斎行し、諸願意をご神前にてご祈祷致しております。明年も下記の通り執り行いますので、ご希望の方は社務所までお申込み下さい。
尚、午後2時より当社に伝わる獅子舞(熊谷市指定無形民俗文化財)が大前に奉納されます。
・日 時 平成30年1月1日 午後1時30分
・初穂料 5千円
・申込み 初穂料を添えて年内にお申込み下さい。
師走17日、境内の大掃除を行った。総代、祭事係、獅子舞保存会の方々の総勢30数名で境内の大掃除を行う。午前9時集合打ち合わせの後、作業に取り掛かる。先ず、屋根に積もった落葉を落とし、掃き溜めていた落葉も掻き出して、森の中に運ぶ。普段の庭掃除では、手の回らない所まで、箒を入れて掃き出す。大きな枯れ枝も多い。落葉と枯れ枝などを集積してみると、大変な分量である。平行して氏子の方々の使用する集会場の大掃除も行い、煤を落とし、ガラスを拭いて、隅々まで拭き清めた。拝殿、末社も煤を払い、水拭きして清めた。
森の中に棕櫚がたくさん生えている。鳥が種を運び自然に生えたものだが、ケヤキ、ムクノキ、樫、榊などに交じって棕櫚が生えてしまうと、森の中に入れない程うっそうとしてしまう。そこで、近年これを駆除している。これも大変な分量なので、少しずつ区画を限って伐採し、森の中の空き地に集積した。棕櫚を伐採すると、風が通る明るい鎮守の森となる。森の足元は落葉でふかふかで、ヤブランが生え、倒木が朽ちている。
午前中で作業が終了し、見違えるようにきれいな境内となった。冬枯れの鎮守の森は、来年の芽吹きまで、冬ごもりの季節となる。これから北風が吹いても落葉はなく、枯れ枝を揺らすのみである。お昼には、ほしのみや保育園の奉仕で、おむすびと熱い豚汁が用意され、作業した全員で頂き、懇談して楽しいひと時を過ごした。毎年恒例の大掃除であるが、大勢の作業は楽しく、能率も上がるようである。
これから年末にかけ、各家庭でも煤払いが行われ、神棚の清掃が行われると、床の間や神棚に納めてある御幣の切り替えが行われる。御幣は、一本立、三本立と区々であるが、これを神社に持参して、新しい半紙で切り替える。これを持ち帰り、神棚に新しい御札を納め、注連縄を張り、御幣を飾る。30日までにはこうした準備を済ませて、正月を迎えるのである。31日早朝、総代、祭事係の皆さんが神社に集合して、幟旗を立てる。これでお正月を迎える準備が、滞りなく整ったということになる。
11月23日に新嘗祭が滞りなく行われた。当日、早朝から大振りの雨で、社殿の装飾を済ませて、午前11時から来賓を迎えて、祭典を行った。11時頃になると雨も上がり、薄日が差すようになる。神前に田んぼ学校で収穫された初穂とともに、御饌神酒、海川山野の味物を供えて、豊作に感謝し、地域と世の中の平安を祈念した。
来賓は、自治会長、農業委員、市会議員、農事組合委員、地域の各役職者などで、これに総代、祭事係が参列した。直会の席では、こもごもそれぞれの立場でご挨拶をいただいた。そうした中で「今まで50年稲作に携わってきたが、本年8月の長雨と収穫期10月の長雨は経験のない事であった。にもかかわらず平年並みか、やや豊作という作柄であった。本当に有難いことであった。」という農業関係者のご挨拶が印象に残った。8月には九州北部豪雨が発生して大災害となった。東北地方では記録的な長雨で気温が上がらず、冷害の被害が発生したという。これに加えて10月の長雨であったので、とても豊作は期待できなかった。しかし、平年並みか、やや豊作であったという結果で安堵したのである。
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11月中旬、今年は例年より早く木枯らしが吹き、境内は落葉で埋もれてしまう。風の吹き溜まりには、10センチ以上の落葉の絨毯となっている。境内の大半の樹木は、ケヤキ,ムクノキなどの落葉樹であるので、落葉の分量は大変多い。昭和34年の伊勢湾台風以前は、樹齢数百年の杉の大木が林立した森であったが、大半が台風通過の強風で倒れてしまい、様子は一変してしまった。以来、50年以上が経過して、落葉樹と樫類の常緑樹の混在した鎮守の森となっている。
新嘗祭には、毎年社殿前のイチョウが黄葉して、美しい景観をなす。神前に捧げられた自然の幣帛の様である。もう一週間もすれば、すべて葉を落としてしまう。境内の落葉は、12月中旬にはみな落ち、冬の陽射しが森の中まで届き、明るい境内となる。来年の新緑の季節までは、この状態が続くのである。まさに冬ごもりの季節を迎えるのである。
10月1日好天に恵まれて、田んぼ学校(主催日本文化興隆財団)の稲刈りが行われた。参加者は都会地の親子約80人と國學院大學の学生留学生約30人で、この人たちを総代や獅子舞保存会の方々と学生ボランティアの約30人でお世話する。小さな古宮神社の杜に多くの人が集い、楽しいひと時を過ごすことができた。
午前10時に参加者がバスで到着すると、先ず開校式を行い、早速田んぼに移動して、稲刈りを行った。鎌でひと株ずつ手刈りして、並べてゆく。稲穂の重さ、わらの匂いなど、強烈な印象である。お昼には境内に戻り、そこかしこにシ-トを敷いて、お弁当を食べた。その後、餅つきをして、搗きたての餅を頬張った。
午後は、脱穀、籾摺り、精米の課程を一通り体験する。御飯として食べるまでいろいろな手間がかかることを、体験してもらう。その後、私が「新嘗祭について」簡単に解説して、豊作感謝の祭りを全員で奉仕した。この時、絵馬を奉納することが恒例となっているので、刈り取った初穂と共に神前に供えた。午後4時、閉校式を行い事故もなく滞りなく行事が行えたことに感謝して、バスを見送った。
庭先に柿が色付いている。8月は雨が多く秋の深まりを感じるまもなく、すでに秋になってしまった。10月4日が中秋の名月、十五夜であった。清らかに澄んだ満月を拝むことができた。縁側にススキを立て、里芋や柿を供え、小麦饅頭を供えていた。子供の頃、縁側に供えられたお供え物は、子供たちはどの家の物でも食べてもよいということで、ワクワクした気分になったことを、よく覚えている。
当地方では、10月15日を中心に日待祭が行われる。俗に「おひまち」と言い、農家では餅を搗いてお祝いをしたものである。稲刈りの時期に当たるので、初穂の収穫感謝の祭りである。まだ、取り入れはすべて済んだわけではなく、黄金色した田んぼが多く残っている。これからしばらく農繁期が続くことになる。日待祭は、兼務している多くの神社で行われ、初穂収穫の喜びにあふれた祭りとなり、直会では今年の稲の出来栄えが自ずから話題となる。当地方の今年の収穫は、平年並みか、やや良いということだが、ここにきて秋の長雨となって、これがどのように影響するか、心配なところである。