お知らせ
雛祭りの季節を迎え、ひな人形を飾ったご家庭も多いことと思います。特に女児が誕生し、初節句を迎えるご家庭では、準備などに忙しかったことと思います。桃の花を飾り、草餅をお供えする風は、各地にあるのではないでしょうか。桃は、邪気を払うとされ、その実は意冨加牟豆美神(おおかむずみのかみ)という神名があり、人々が苦しみ悩む時に助けてくれるという。ひな人形のル-ツは、禊祓に使用した形代(かたしろ)の人形(ひとがた)であったといいます。その名残で「流し雛」の風習を残している地域もあります。
雛祭りと言えば、内裏雛を上段に飾り、三人官女、五人囃子などを配して宮廷の様子を再現しています。このようになったのは、日本独自の発展がありました。私たち日本人は、古くから皇室に憧れてきました。その結果、世界に類をみない「雛祭り」という年中行事を生んだのです。源流は、農村社会にあった疫病の流行る春先のお祓い行事でした。それを女児の成長を祝う行事へと変化させていったのです。宮廷の華やかな婚礼の様子の中に、豊作や子孫繁栄の願いも込められています。
3月に入っても新型コロナウイルスの猛威は収まっていません。現状では世界中が対策に必死で当たっている状態です。近年、流行り疫病でこれほどの混乱に遭遇したことはありません。日本のみならず世界中が、未知のウイルスと戦っている状態です。1日も早く終息し、平穏な日常生活に戻って欲しいところです。
桃の節句に続いて、桜の季節を迎えます。今年は暖冬でもうすでに関東地方では開花宣言があり、まもなく満開になろうとしています。かつては、4月の入学式の頃に満開になっていましたから、半月も早くなっていることになります。古代律令国家の時代、今から1,300前、桜の花が散る頃、鎮花祭(ちんかさい・はなしずめのまつり)と云う祭りが行なわれていました。大和盆地では今も行われていると言います。
花が飛び散るときに、疫神が分散して流行り病をなすので、それを鎮め抑えるために、この祭りを行うのだと、説明しています。改めて、古代の人々の心に触れる思いがします。
お花見の習俗の根底には、疫神に対する恐れがあり、この神を鄭重に祭ることが必須だったのです。流行り病さえなければ、いつも通りの楽しいお花見なのですが、今年はそんなわけに参りません。
学校は休校、卒業式も中止、様々な行事催しは自粛、不要不急の外出も控えるようにとの要請もあります。それによって既に経済活動に大きな影響が出ています。先祖たちが何度も乗り越えてきた危機体験、周到な予防で私たちも乗り越えて行かなければなりません。春先に何度もお祓いを繰り返してきた、先祖の心に立ち返り、新型コロナウイルスによる感染症の撲滅を改めて祈りたい。
立春を迎え、何日か寒の戻りがあったものの、異常な暖冬である。例年だと関東地方では湿った寒気が上越国境の山に大量の雪を降らせ、乾燥した寒気が赤城おろしとなって吹き抜ける。ところが今年は、雪が降らず、雨の多い冬だった。しかし、季節の巡りは、確実に春に向かい、2月20日頃には決まって福寿草の花がひらくが、こちらの方は時季を間違えていない。梅の花もすでに満開である。
2月になりコロナウイルスによる感染症が蔓延し、連日新情報が流されて、不安な日々を送ることとなった。遂に小・中・高校の臨時休校まで政府が要請する事態にまで至り、様々な行事や催事が中止されることとなっている。ここ1・2週間が、大流行を食い止める山場という。しかし、一向に終息に向かう情報はなく、患者は増えるばかりで、不安は増すばかりである。
令和になって、初めての天皇誕生日の一般参賀も中止となった。新型のウイルスの猛威は、留まるところを知らない。一日も早い特効薬の開発が待たれるところだ。しかし、こうした知見の無い、古代の人々は流行病に対して、大きな不安を持ち、ひたすら神々に祈りを捧げるより、なすすべがなかった。
現代社会でも、社会に蔓延する不安感を払拭するのは、祈りによるところが多い。全国神社の社頭での日々の祈りを通じて、一刻も早いコロナウイルスによる流行病が終息することを望むものである。
新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
年頭に当たり、先づ皇室の弥栄をお祈り申し上げます。あわせて氏子崇敬者皆様のご多幸を祈念申し上げます。
昨年は天皇陛下の皇位継承儀礼が滞りなく行われ、神祭りの大切さが自覚させられる年でありました。天皇陛下には御代初めに大嘗祭を行われ、皇祖天照大御神と天神地祇に自ら神膳をお供えされ、国家の平安と国民の幸福を祈られました。有難く尊いことでありました。
昨年の秋には関東や中部地方に相次いで台風が襲来し、各地で堤防が決壊して、大きな被害が発生しました。年々災害の発生が頻繁になり、不安が絶えないことになりました。何とか災害が少なくなることを祈りたいと思います。
年越の夜は、北風が厳しく寒い日となりました。年末が比較的温暖だったので一層寒さが身に沁みました。きれいに掃き清めた境内は、強い北風でどこから来るのか落葉でいっぱいです。枯れ枝にわずかに残っていた木の葉が吹き飛ばされたのだと思いますが、それにしても大変な量です。強風のため古札の御焚き上げも中止です。
この時期、農家の庭先に植えられた橙などの柑橘類は、ことのほか美しいです。落葉した木々の間に緑の葉が茂り、黄金色したみかんの実は、富の象徴です。橙を正月飾りに使う意味がよくわかります。水仙も香り豊かに咲き誇っています。
明けて元旦は、寒さは厳しいものの穏やかな日となりました。今年がこのような穏やかな年となるように祈りたいと思います。
今年はオリンピックが東京を中心に開催されます。東京は大改造の真最中で、様々なところで工事が急ピッチで進められています。高層ビルが何棟も立ち並び、町の姿が明らかに変わってきました。近代的な美しい空間に日々変化しています。
昭和39年の東京オリンピックは戦後復興の象徴のような意義付けだったと思いますが、今回は東日本大震災からの復興がテーマと伺います。50年を超える歳月の変化は、目を見張るものがあります。しかし、日本を取り巻く環境・世界情勢は厳しくなるばかりです。これからも着実に発展が重ねられるよう祈りたいと思います。
15日に境内の大掃除を行った。総代、祭事係、獅子舞保存会など総勢20数名である。この時期、木の葉はすっかり落ち、掃き寄せた処は落葉で山をなす状態になる。毎日掃かないでいると落葉の絨毯となってしまう。その落葉を森の中の広場に運び、社頭を掃き清めるのである。ところが本年は、イチョウが黄葉したそのままの姿で、まだ盛んにハラハラと葉を落としている。椋の木もまだ少し葉が落ちないままで、年末までには相当な分量の落葉になりそうだ。11月に入ってからも、夏のような大雨が何回も続いた影響であろうか。こんなところにも異常な気候を感じてしまう。
落葉の処理が一段落したところで、本殿、拝殿、末社の拭き掃除を行った。1年間の汚れを拭き清めて、新しい歳を迎える準備である。清々しい境内となり、午前中ですべての作業を終えることができた。その後、社務所でおむすびと豚汁で、ささやかな忘年会をして解散した。
本年は5月1日に、浩宮徳仁親王が126代天皇に即位され、元号が令和と改元された。10月22日には、即位礼正殿の儀が行われ、天皇は黄櫨染御袍を召されて、高御座の登り即位の事を内外に宣明されました。世界の191の国や機関の代表が参列される中、天皇の御言葉を受けて、内閣総理大臣が寿詞を申しあげ、万歳を三唱した。
11月14日の夕刻から15日の朝にかけて、大嘗祭が行われました。皇居東御苑に素朴な黒木の大嘗宮を建設し、この仮設の神殿に天照大御神及び天神地祇をお迎えして、今年の新穀で、神々をもてなすのである。一世に一度の大神事と呼ばれるもので、天皇はここで「国安かれ、民安かれ」と祈られる。この祈りから、令和の大御代は始まる。令和の御代が、日本の国にとって素晴らしいものとなるように、私たちもそれぞれの立場で頑張りたいものである。